大好きなシオリさん

 大好きなシオリさんに逢いに行く。シオリさんはオットとかダンナというヒトと一緒に住んでいるらしいので僕はたまにしか逢えない、それがとてもとても寂しい。シオリさんに逢える前日はウキウキして眠れない、まるで遠足の前の日のような気分になる。

朝、手にお酒を持って出かける、今日はトカゲの月光は一緒には来ない、月光は部屋の玄関で気を付けて。としおらしく頭を下げるとドアを閉めそれきり反応が無かった。僕は電車に乗ってバスに乗ってシオリさんの住む街へ向かう、それはそれはドキドキする時間だ。

  シオリさんは玄関で待っていた。右手を振っている、笑顔だ。僕も同じように手を振った。いい天気だった。部屋に入ると僕は持ってきたお酒をシオリさんに手 渡した。シオリさんはありがとうと言うと僕の手を取って隣の部屋へ連れて行った。そこにはちゃぶ台しかない部屋で僕とシオリさんは向かいあって正座した。 シオリさんはお猪口を僕に渡し僕の持ってきたお酒を注いだ。僕はそれを呑み干して今度はシオリさんのお猪口に注いだ。二人して何度も注ぎあい、そしてお酒 を呑んだ。

 シオリさんは時々台所へ行って肴を持ってきた、イカの沖漬けとか秋刀魚の塩焼きとか舞茸のテンプラとかいろいろだったけどどれも美味しかった。僕とシオリさんはしこたま呑んでそして酔って抱き合い接吻をした。

 そろそろと言ってシオリさんは身体を離して髪を整えた。僕も立ち上がりそしてシオリさんの家を出た。すっかり陽が落ち月が昇っていた。僕は、今度シオリさんに逢えるのはいつだろうと帰り道でぼんやり考えていた。それは星が瞬く夜だった。
Comments