カミナリさま

 7月のある晴れた日、カミナリさまがやってきた。頭にはツノが生え、背中に太鼓を背負い、トラ柄のパンツを穿いていた。手には一升瓶と酒の肴を持っていて僕たちに薦めた。

 その夜、カミナリさまと僕とトカゲの月光の三人でカミナリさまの持ってきたお酒を呑んだ。カミナリさまのお酒はピリピリと電気の味がしてとても美味しかった。僕たち三人はしこたま呑んで酔ってそしてぐっすり休んだ。

 翌朝今度はカミナリさまの奥さんがやってきた。手には同じくお酒の入った一升瓶を持ちお世話になりましたと言って僕に手渡した。カミナリさまは奥から出てきて奥さんと並ぶと、今年もよろしくおねがいします、と二人で深々と頭を下げた。僕とトカゲの月光もそれにつられて、こちらこそよろしくおねがいします、と言った。そしてカミナリさま夫婦は二人並んで空へと消えていった。僕と月光はカミナリさま夫婦が見えなくなるまで見送った。

 その日の夕方、今年最初の雷だった。その雷を眺めながらカミナリさまに貰ったお酒を呑んだ。ピリピリして美味しいお酒だった。今ごろ雲の上でがんばっているのだなぁとしみじみと考えた。来年またカミナリさまに逢えればいいなと思っている。
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