占い師の追士郎

 占いをしてもらいに僕はトカゲの月光と近所の神社へ行く。そこには狐の占い師、追士郎が住んでいる。長い階段を上り用意したお稲荷さんを捧げるとどこからとも無く狐の追士郎が現れた。狐の追士郎はお稲荷さんをペロリとたいあげると僕と月光を一瞥した。

  何を占って欲しいのだ?狐の追士郎は鋭い目線を僕とトカゲの月光に向けた。一通り占ってください。そういうと狐の追士郎はよかろう、100円じゃ、と言っ た。僕はズボンのポケットから100円を出すと手のひらに乗せた。狐の追士郎は長い舌を出してその100円を飲み込むとよく見ておけよ、と言いまた舌を出 した。舌には達筆な文字で一、金運:なるようになる、一、恋愛運:なるようになる、一、健康運:なるようになる....全部がなるようになるだった。

 人の人生はなるようになるものだ、100円ごときで世の中がわかるものか、そう言うと狐の追士郎は消えていった。

 帰り道、僕は人生、なるようになるんだと繰り返しつぶやいた。それを見たトカゲの月光は頷いていた。明日もなるようになるんだろうね。
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